パトリック・キーラー監督特集
Patrick Keiller Retrospective

2025年5月15日(木)―5月17日(土)(3日間)

会場:アテネ・フランセ文化センター

ヴァルトスあるいはヴェール

終わり

空間のロビンソン

「ロビンソン三部作」で、見慣れた日常の風景を異なる時空や、類種・事物の視点から複層的に描いてきたパトリック・キーラー監督。本特集では、2015年にアテネ・フランセ文化センターで紹介された三部作にくわえ、キャリアの初期に手がけた短編作品も上映し、様々なゲストとトークを行うことで、キーラー監督の功績をたどる。

上映作品の解説はこちら

■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の30分前から、当日上映分を販売します。

5月15日(木)

16:50 『ロンドン』(85分)
18:40 『空間のロビンソン』(82分)
レクチャー:木内久美子(比較文学研究者)

5月16日(金)

14:00 短編作品集(計96分)
16:00 『空間のロビンソン』(82分)
17:50 『廃墟のロビンソン』(101分)
トーク:東志保(映画研究者)、木内久美子

5月17日(土)

13:30 『ロンドン』(85分)
15:20 『廃墟のロビンソン』(101分)
17:30 短編作品集(計96分)
トーク:パトリック・キーラー(映画監督/オンライン登壇)、
高山明(演出家・アーティスト)、木内久美子

■監督情報

パトリック・キーラー
Patrick Keiller


1950年イギリス北部のブラックプール生まれ。ロンドン大学で建築学を学んだのち、ロンドン市内の建造物や廃墟を写真で撮影し始める。その過程でブルトンやアラゴンの著作に出会い、シュルレアリスト的な都市表象の表現方法に影響を受けるようになる。自らの写真のスライド上映を通して映画製作に興味を持つようになり、1979年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート環境メディア学科修士課程に入学。1980年代には短編作品5本を制作した。これらの作品には、ゴシック的な想像力を織り交ぜながら社会の諸相に鋭く切り込む独特の語りと、建造物や風景を中心とした画とを組み合わせた表現スタイルがみられる。1986年のエディンバラ映画祭で上映された『終わり』が絶賛され、チャンネル4が放映権を取得。1980年代後半にチェコスロバキアの前衛運動デヴィエトスィルをめぐる作品の企画(実現しなかった)をとおして、プティの『レイディオ・オン』やクエイ兄弟の短編のプロデューサーとして知られるキース・グリフィスに出会う。1990年代には長編作品に着手。初の長編作品でロビンソン三部作の第一作となった『ロンドン』(1994)における独特の表現スタイルが注目され、イギリスのドキュメンタリー映画に新たな地平を切り開いた映像作家とされるようになった。第二作の『ロビンソンの空間』(1997)ののち、イギリスの住宅問題を扱った『崩れかかった住処』(2000)を制作。2002年から2011年にかけてロイヤル・カレッジ・オブ・アートの研究員となり、黎明期のサイレント映画が捉えた都市風景と現在の都市風景とを比較研究。その成果は『未来の都市』などのギャラリーでの企画展に結実した。2007年から2010年にかけて、社会科学者で地理学者のドリーン・マッシー、歴史家のパトリック・ライトらとの共同研究「ランドスケープの未来と動くイメージ」に取り組む。その一環として、『廃墟のロビンソン』(2010)を制作した。2012年にはテイト・ブリテンで、この作品を軸に据えた企画展示『ロビンソン協会』(2012)を開催。2020年には『ロンドン』のスクリプトの収録された書籍を出版している。その他、詳細はキーラー監督のホームページ(https://patrickkeiller.org/)に詳しい。

※チラシでは「『崩れかかった住処』(2000)を公開」とありますが、正しくは「制作」になります。


■当日券のみ/先着順
■各回入替制
■全作品日本語字幕付

■料金

一般 1回券=1500円
(3回券=3000円
学生/シニア 1回券=1300円

アテネ・フランセ文化センター会員
1回券 =1000円

■お問い合わせ・会場

アテネ・フランセ文化センター
東京都神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339

■主催

木内久美子
アテネ・フランセ文化センター

■協力
英国映画協会(BFI)
LUX
Patrick Keiller
福嶋れのん
中原由貴